Friday, July 1, 2011

『我らが赦すごとく』


『ウオルター・ウィンクが、大二次大戦が終結して10年後にポーランドのクリスチャン・グループを訪ねた二人のピースメイカー(和解をつくる人)について語っている。ピースメイカーたちが尋ねた。「西ドイツのクリスチャンと会う気持ちはありますか。彼らは、戦時中ドイツがポーランドに犯した行為について赦しを請い、新しい関係を築きたいと願っているのですが。」

ポーランドの人たちは、最初、黙っていた。やがて一人がきっぱりと述べた。「あなたがたは無理を言っています。ワルシャワの石はみなポーランド人の血に染まっています。赦すなどできません!」

けれども、ピースメイカーたちがこのグループのもとを去るときに、いっしょに主の祈りをささげることになった。「我らに罪を犯す者を、我らが赦すごとく、我らの罪をも赦したまえ」のくだりにさしかかると、みな祈るのをやめた。部屋の中に緊張が走った。先ほど語気荒く語ったポーランド人が言った。「あなたがたに『わかりました』と言わなければなりませんね。赦さないなら、もう『我らの父』に祈ることができないし、自分をクリスチャンと呼ぶこともできませんから。人間的には赦すことができませんが、神はその力を私たちに下さるでしょう!」十八か月後、ポーランドとドイツのクリスチャンはウィーンで会見し、友情を確立した。そしてそれは今日も続いている。」

フィリップ・ヤンシー