能楽金春流太鼓の中堅で、重要無形文化財総合指定をも受けた上田悟さんは、ある時、腕に痛みを覚えました。太鼓を打てませんでした。太鼓方として危機を迎えた時、めぐみさん(妻)から聖書を読むことを勧められました。
初めて聖書を読み、祈りました。心の中に、それまで考えたこともなかった思いがわいて来ました。『自分のがんばりではなく、神様が思うようにしてむらおうと思いました。太鼓にしがみつくのではなく、太鼓を打てなかったら仕方がないと、神さまにゆだねることができて楽になりました。』
やがて腕は治りましたが、今思いば、ひたすら上を目指していたところに、神がストップをかけたかのようなアクシデントでした。「そのまま行っていたら、信仰を得ることもなく、家族を顧みることもなく、破滅していたかもしれません。」
上田さんは、こう言っています。「私の価値観が本当に百八十度変わりました。」『家庭の土台は夫婦』と悟るようになりました。彼は、教会で良い夫婦関係つくりの考える活動をしたい、と言いました。
「夫たちよ。キリストが教会を愛し、教会のためにご自身をささげられたように、あなたがたも、自分の妻を愛しなさい。」聖書・エペソ5:25
イエス・キリストは、罪人のために十字架上で「ご自身をささげ」ました。私とあなたのような罪人が受けるべき永遠の罰をその身に負い、十字架上で裁かれました。極めた愛、恵と献身です。値無しで、それを受け入れた者が、その力によって、妻を愛すのです。夫を敬うのです。