アメリカの16代大統領となったアブラハム・リンカーンが、まだ幼い時のことでした。彼の家は貧しく、小さな丸太小屋に住んでいました。けれども母のナンシーは、そんなまずしさにまけない、人間にとって一番必要なものは物質ではないということを、まだ幼い、二人の兄弟に教えました。リンカーンが10才の時、彼の愛する母は、マラリヤにかかってしまいました。彼女は、いよいよ神の身元に召される時がきたことを悟った時、枕元にリンカーンと姉を招きました。病いでやせ衰えた手で、リンカーンの手をとり、頭をなでながら、信仰深い母はこう言いました。「おまえがこれからもっと大切にし、そして実行してもらいたいことがあります。これは、聖書の教えですが、お母さんの願いでもあります。神を信じないさい。そして正直に生きなさい。お父さんを助け、お姉さんと仲良くし、隣人を愛しなさい。」これを遺言とし、1818年10月10日、35才の母の魂は彼女の信じるイエスの身元に召されて行きました。
聖書の『どんな戒めがあっても、それらは、「あなたの隣人をあなた自身のように愛せよ」ということばの中に要約されているからです。』聖書・ローマ13:9