Tuesday, August 2, 2011

日本の「恵みでないもの」



『ニューヨーク・タイムズ』氏が最近、現代日本における犯罪について連載を組んだ。市民十万人あたりで刑務所に入っているのが、合衆国五百十九人に対して、三十九人だけであるが、それはなぜなのだろうか。『タイムズ』の記者は答えを探しながら、殺人罪の刑期を終えたばかりの日本人男性にインタビューをする。刑務所にいた十五年間、誰一人、彼を訪ねて来る者はいなかった。出所後に会った妻と息子からは、もう村に戻って来ないでくれ、とだけ言われたという。結婚している娘二人は、彼に会おうとしない。「私には孫が四人いると思います」とその男性は悲しそうに言った。彼は孫たちの写真すら見たことがない。日本の社会は「恵みでないもの」の力を利用する方法を知っている。「面目を保つ」ことに価値を置く文化には、不名誉をもたらす人のいる余地がないのである。
ヤンシーは、アメリカやキリスト教の「恵みでないもの」をこの本で取り上げるが、日本の「恵みでないもの」もいくつか取り上げる。